2011年10月14日金曜日

アメリカの野菜の販売方法

アメリカの野菜は基本的に量り売りです。最初は買い方がよく分かりませんでした。
マッシュルームやイチゴなどはパック詰めされていたり、ほうれん草や生のハーブなどは束ねてあって、1パックいくらとか一束いくらと書いてあるので、こちらに着いたばかりのときでも分かりやすかったです。
そのほかの野菜は、ラップもかけられずどさっと積んであります。そういうものは自分で好きな分だけ買うことが出来ます。でも値札の種類が2種類あるのです。「$1.00/lb」と「$1.00e.a.」。「$1.00/lb」は1ポンド(約450g)あたりいくら(1ポンドあたり1ドル)という意味で、「$1.00e.a.」は1個あたりいくら(1個あたり1ドル)という意味です。(e.aとはeachの略です。)

最初の頃はこの二つの意味が良く分からず、「結局この野菜は1個いくらなんだろう?」とドキドキしながら買い物してました。
しかし、意味も分かって慣れてくると「こんなに合理的な野菜の売り方はないな、日本でもやればいいのに!」と思うようになりました。

”1個当たりいくら”と表示のあるものは、よく見るとアボカドやりんご、桃など1個あたりの大きさが安定しているものです。そのほかのアメリカの野菜は形や大きさが不揃いなのです。だから”1個あたりいくら”という値段の付け方ができないのだと思います。
量り売りの野菜を買うときは買う分だけ小さなビニール袋に入れます。レジが電子秤になっていて重さを量り、店員さんが野菜のコードを打ち込むと自動的に値段が計算されるという仕組みになっているようです。レジも全然時間が掛かりません。また、売り場のあちこちの天井から大きな秤がぶら下がっていて、自分の選んだ野菜がどのぐらいの重さか、いくらぐらいになるのか分かるので、レジで慌てることもありません。


オクラはこの辺りで食べる人が少ないのか、片隅でひっそりパック売りされていました。(量り売りされているスーパーもありますが。)ちょっと茶色くなっていてあんまり新鮮ではなかったのですが、ひとつ感心したことがあります。やはり、ひとつひとつの形がばらばらなのです。

私はアメリカへ来る前の約1ヶ月、実家で世話になり母の家庭菜園を少しだけ手伝いました。そのとき初めて畑でオクラが育つところを見たのですが、スーパーで売られているオクラとはまったく違う、大きさのバラバラなオクラにびっくりしました。きっと日本または日本向けに出荷している国の農家の方はすごい技術と努力をして形を揃えているのだと思います。
アメリカのオクラは母の作ったオクラに似ています。大きさはバラバラでも味になんの問題もありません。私は今まで形の揃ったオクラしか見たことがなかったので「オクラとはそういうものだ」としか思っていなかったけど、農家の人が影ですごい努力をして、少し大きさが合わないからと廃棄されるオクラが、もし大量に出ていたら知らなかったとはいえ申し訳なかったなぁ、という思いがします。

これはオクラだけでなく、きゅうりでもトマトでもなすでも同じです。日本の(バラの)野菜の売り方が”1本いくら”とか”1個いくら”である限り農家の人は大きさや形を揃えないといけません。
その分値段も高くなるし、裏では食べられるものが捨てられることになりもったいないです。
アメリカの野菜がおいしく安いのはそういった売り方の工夫もあるのかもしれません。ただ土地が広く大量生産できるからというわけだけじゃないようです。


この中のメロンにご注目ください。形がいびつで表面もぼこぼこしています。でも中は夕張メロンみたいでやわらかくておいしいかったです。値段はセールで1ドルでした!通常でも2ドルです。
アメリカでは見た目にこだわらないのかこだわれないのか分かりません。またきれいな野菜や果物を作る日本の技術や美意識も立派だと思います。でも、普段の生活ではちょっと形は悪くても安くておいしくて安全な野菜が食べられるほうが嬉しいのではないでしょうか。
「道の駅」などの農産物直売所とか特殊な場所だけでなく、普段のスーパーでもこういう野菜が当たり前に買える世の中になるといいなと思います。

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